NHLのワシントン・キャピタルズに所属するアレクサンダー・オベチキンが12月23日のウィニペグ・ジェッツ戦で2ゴールを決めて通算802得点とし、通算得点数でリーグ歴代単独2位に浮上した。
ロシア出身で現在37歳のオベチキンは、第1ピリオド残り1分38秒で801得点目をマーク。これでゴーディ・ハウの記録に並ぶと、第3ピリオド終盤にもゴールをたたき込んで歴代単独2位となる802得点目を記録した。
オベチキンはこれが1310試合目の出場で、457試合少ない出場数でハウの記録を抜いた。通算得点数の歴代1位は、1999年に現役を引退したウェイン・グレツキーの894得点。
背番号8に因んで『グレートエイト』と呼ばれるオベチキンは、史上最も偉大なアイスホッケー選手の一人として広く知られている。
彼が初めて国際舞台に立ったのは2003年。世界ジュニア選手権でロシアのアイスホッケー連盟の金メダル獲得に貢献したときだった。その1年後のワールドカップ・オブ・ホッケーでは、大会史上最年少の19歳でシニアの国際試合に出場した。
2005年にワシントン・キャピタルズでNHLデビューを果たすと、2006年のトリノ冬季オリンピックではロシア代表に選ばれた。ロシアのメダル獲得はならなかったが、オベチキンはこの大会で5ゴールを挙げ、金メダルを獲得したスウェーデンと銀メダルのフィンランド以外のチームから唯一オールトーナメントチームに選ばれた。
彼が国際的な成功を収めるまでに時間はかからなかった。モスクワ出身のオベチキンは、2008年の世界選手権でロシアの主力選手として優勝。2010年のバンクーバーオリンピックでは、優勝候補の一角に挙げられるも準々決勝で開催国に敗れたが、2012年と2014年の世界選手権では、ロシア代表の再建を担って優勝に貢献した。
2017年に「史上最も偉大なNHL選手100人」に選出された左ウィングは、2018年にはワシントン初のスタンレーカップ優勝に導いた。2014年のソチオリンピックは、地元で成果を出すという大きなプレッシャーの中、ロシアは準々決勝でフィンランドに3-1で敗れた。
オベチキンは、NHLの得点王に贈られるモーリス・”ロケット”・リチャード・トロフィーを過去最多の9回受賞。そのスター性からNHLのビデオゲーム3作品の表紙を飾っている。
アイスホッケー界の生きた伝説であるオベチキンは、今季もリーグの得点王を争っているが、37歳と高齢のためにいつ引退しても不思議ではない。オベチキンのプレーを見られるチャンスは限られているので、彼が健在なうちにぜひ見て欲しい。